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ハセベケン (渋谷区議, Green Bird代表) 後半


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MY SOURCE マイ・ソース


青空保育

おひさまの会。代々木公園で行われている青空自主保育の会。僕はここの卒業。やんちゃと色黒はここではぐくまれたと思う。

ピーター・ポール&マリー

大学浪人時代、フォークソングが好きで、柄にも泣く色々と悶々と考えていた。暗いっすね。

福岡

原宿以外で唯一住んだ場所。仕事も遊びも絶好調!いつままた住みたい。

選挙(2003年4月)

いや~、当選して良かった良かった…。

マサイマラ国立公園

ケニア。コトバじゃ言い尽くせないほど、感動。


ピーター・ポール&マリー

ハセベ:コレはもう暗い浪人時代の話ですよ。勉強するの嫌いだから、ずっと机に座ってるふりしてずっと聞いてたんだけど。あの頃、みんなあると思うんだけど「生きるってなんだろう」とか考えるじゃないですか。その時にボブデュランの『風にふかれて』とか、ピーター・ポール&マリーが歌ってたんだけど、いろいろ聴いて英語の歌詞を読んでいくうちに、なんかだんだん「あーっ」て考えていくようになって…。ぼくら70年代をリアルに生きてないから、よけい新鮮に感じたっていうか。

近藤:そうだね、フォークって僕らはリアルタイムではないからね。

ハセベ:それがすごく面白い憧れだったし、でも当時生きてたら赤軍に入ってたかっていったら、絶対入ってないですけど。今でもやっぱ僕、究極のノンポリなんじゃないかと。

近藤:まあ僕も完全にノンポリっていうか、ポリシーの逆かもしれないけど。ひとつのポリシーにはまるって危険だもんね。

米田:たぶん、ノンポリっていうのは、そのつどそのづど考えたり、行動するってことなんじゃないですかね?自分の頭で考えて自分で判断するっていう。

ハセベ:あと、そのころに暗くなったのが、この町でずっと育ってたから、たぶん部落問題とか知らないわけですよ。

近藤:僕もずっと東京にすんでたから知らないんだけど、大阪に転勤になっていきなり新大阪の駅に『部落差別反対!』て書いてあって…『えーっ!?』みたいな感じで。

ハセベ:なんかなんとなく話は聞いた事あったけど、って感じなんですよね。

近藤:表参道とかこの辺って、全然そういうのはまったくない?

ハセベ:ないでしょうね。昔の昔は知らないけど。

2

変化していかないと、終わっちゃう。


米田:子供のころの原風景ってどんなものだったんですか?

ハセベ:もうちょい静かでしたよ。表参道もこんな混んでなかったし。この街の成り立ちの面白いのはあの表参道って、明治神宮の参道なんですよね。忘れてたんだけど。

近藤:裏参道っていうのはあるの?

ハセベ:北参道って言うのが代々木の方にあるんですよ。参道から始まって、その後に戦争があって負けて、そこの代々木公園って言うのは米軍の基地じゃなくてワシントンハイツっていって。キディランドとかオリエンタルバザールとかも、外国人向けのお土産さんから始まってあそこまでいってる。

近藤:あ、そうなんだ。知らなかった。

ハセベ:目の前のあの辺もよもやまのアパレルが集まってきて昔はマンションアパレルやってたり…DC(ブランド)の前線ですよね。そういう人達が有象無象にいて、だんだんこういう街が創られていったんですね。ガキの頃、大きく変わったのはラフォーレで、小1の時にできたんですよ。真向かいにマンションがあって、下に喫茶店でおしゃれな大人たちが常時集まってて…。自然とそういうものに触れてたっていうか、ちょうど小学校低学年のときに、たけのこ族とか。

米田:その頃って、子供ながらに「超楽しい!」って感じなんですか?毎日刺激があって。

ハセベ:いや全然ないですよ。普通。

近藤:やっぱそうなんだ。それが普通なんだ。

ハセベ:世の中ですごく流行ってるとかいう認識あんまりなかったんですよ。原宿がすごい街っていうのも知らないで、東京カルチャーみたいなものがメインにあるところを自然に普通に見てた。思い返すとえらいとこ知ってたなって思うけど。

近藤:そんな地元への恩返しをしたいっていう意識もある?

ハセベ:やっぱり故郷に錦を飾るっていうのと近いんじゃないかな?そういう意識はそんなしていないけど。「表参道のプロデューサー」って言われたときはそれを思いましたよね。ここで社会メッセージを発信したい、という欲求とともに、やっぱここでやることは恩返しになるんじゃないかって。この街って、やっぱり大きな街にありがちなんだけど、住んでる人と働いてる人のぶつかりがあるわけですよ。

グリーンバードの活動風景

米田:当然そうでしょうね。

ハセベ:ずっと住んでる人はもう流行ってほしくないって思ってるし、昔はホントもっと緑あふれる静かな街だった。だんだんと裏原なんて言われだしたけど、お店なんてなかったから。そういう風に変わってきて…。だけど僕なんかが思うのは、なんかこう、変化していくことは楽しいことで、たぶんファッションなんかも変化していくものじゃないですか。変化していかないと、終わっちゃう。

近藤:街もね。

ハセベ:本質だけをちゃんと残していけば…たぶん表参道だけはきちっと緑を残すのが本質だし、そういうものさえしっかりしていれば、表現が変わるのは全然かまわないと思う。そういうことをもう少しみんなにわかってもらえるようなやり方をしていけば、住んでる人と、来て喜ぶ人とがもう少しくっつけるんじゃないかと。それこそさっきの強制みたいなこととか、0か100かっていう議論はありえなくて、みんなが20%我慢して80%ぐらいで着地するのが一番いいという気もするし。そういう調整能力とかは、博報堂のときに学んだような気がするんですよ。今思うと博報堂のときは、広告のスキルを学んだっていうのはあったけど、辞めてからすごく思うようになったのは、合意形成をつくって物事を前に進めていく能力だったんじゃないのかなあって。

近藤:特に営業なんてそうだもんね。全体をプロデュースしてるっていうか。

ハセベ:得意先が一番の敵じゃなくてね、内部のトップをいかに説得するかが一番の敵だっていうかね。手強いわけですよ。筋が通ってないこと言うとね。だからそういうことにいろいろ役立ってんだなって思いますけどね。

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FUTURE SOURCE フューチャー・ソース


渋谷区

仕事柄、いろんなことが気になります。

松井秀喜

大ファンです。

apbank

もっともっと大きな活動になって欲しい。

表参道イルミネーション

現在、復活に向けて作業中。どーなることやら…。

ジェリー・ロペス

先日、対談させてもらった。ホント、スゴイ人。サーフィンやってみようかなってマジで考えてる。


松井秀喜


ハセベ:松井選手って俺の3つ下なんだけど、会うと絶対「さん」って言っちゃう気がしていて。なんかあのオーラといい、人としてのバランスがすごくいい。新聞記者とのあの下ネタトークもいいと思うしね。

米田:イチローとは全然違って、めんどくさがらずに記者にも応じるんですよね

近藤:イチローはなんか求道者っぽいけど…。

ハセベ:そうそう、松井のほうが達観してるっていうのかな。僕はそっちのほうが憧れるっていうか。

近藤:サッカーでいうと中田?

米田:中田はイチローに近いよね。

ジェリー・ロペス

ハセベ:それを言ったらジェリー・ロペスの方が、松井にまだ近いんじゃないかなって気はする。

近藤:対談したんだよね。あのオメガとかの広告に出てる人でしょ?

ハセベ:サーフィン界じゃマイケル・ジョーダンみたいな人らしくて、みんなが「いいな、いいな、神だよ!」って言うからオーバーだなって思ってたんだけど、会ってみたら、「わかる!」っていうか。自然と対峙して生きてるし、少しダライ・ラマを例にして話とかしてるんだけど『禅』ですよね、世界が。もう普通のおっさんだし背はそんな変わんないし華奢だし、だけどオーラがないんですよ。

近藤:えっ、ないんだ?

ハセベ:スーっとしてんの。それがすごいっていうか。で、話し終わったらなんか俺、すっきりしちゃった、みたいな。えらいお坊さんと話するとこういう気分になるんじゃないかなって。まあ、えらいお坊さんと話した事もないんだけど(笑)。

近藤:まあ、イメージの中ではね(笑)。

ハセベ:なんか自然体でしたよ。こういう人になれたらいいな、無理だけど。言ってる事もすごくわかりやすくて。シンプルとバランスっていうことを彼はすごく言うんですよね。もう「おっしゃるとおりです!」っていう感じで。人に言うくせに自分でできてないことがあるってことを、空気のようにすーって言われると、はー、みたいな。

近藤:さっきの”Act local, think global”って話も、ゲーリー・シュナイダーっていう詩人だけど外国人って自然体で哲学的なことを言うよね。

ハセベ:でも、昔から色んな人から言われてたんでしょうね、だからよく「グーとパーの視点」とか言われてたりしてたじゃないですか、表現が違うだけで。

近藤:両方をバランスとって入れるっていう。

ハセベ:ある意味、本質なんでしょうね。

近藤:片方に分けちゃったら、どっちかに偏っちゃうよね

ハセベ:やっぱり、生きている上での本質を見抜いてる人なんだなと思います。

AP bank

近藤:APバンクも、活動もそうだけど、ミスチルが応援してるとかがあったりして、ちょっと今までの堅苦しい福祉のやり方とは違うよね。そこが新鮮に感じるし応援したくなる。

ハセベ:ホワイトバンドだって悪くいわれるけど、僕はいいと思ってるし。あれなんか、もっとちゃんとやっていることをクリアに言えばいいのに。

米田:最近悪く言われすぎだなって、僕も思ってたんですよ。

ハセベ:そう、いいんですよ。だってあれで広げていって、だんだんみんなが3秒に1人、人が死んでるっていうのに気付けばいいってだけの話だから。売り上げを更に共感の輪を広げるためにそれメディアに使うのだってOKでしょって思うし。もっと胸張ってそういうの戦えばいいのにって思うんだけど。あれだけ言わないとやっぱなんかあるのかなって、うがっちゃうってのも出てきちゃうわけだから。

米田:ハセベさん自身はインターネットとか、新しいメディアでのPRの仕方とかってどう思います?

ハセベ:決して得意なほうじゃないんで、遅ればせながらブロードバンドの波がやってきた…、みたいなタイプ(笑)

近藤:わはは、でもHPもちゃんとつくって発信してるよね。

ハセベ:まあ作ってくれる人がいるし、そういうことを知ってる人がいればいいやって。全部自分じゃできないから。

近藤:無理、無理。

ハセベ:思うと、僕は人と人との掛け合わせしかしてないし、それが財産だと思うし、そう思うようにしてます。もういまさら自分でブログとか立ち上げてなんかとか、めんどくさくてしようがないし、『ちょっと作っといて』とかいったら、フォーマット作ってくれて、書き方だけ教えてとか言って、そんなレベルですね。

4

「シブヤミライ手帖」


近藤:この本で書いてあることも、まったく新しい事とかじゃないのかもしれないけど、それをちょっと違った形でやるとか、新しさを持ち込んでるから、渋谷の未来の街を想像してワクワクするよね。

ハセベ:ただ、切ないのは、例えば、アマゾンとかで酷評されたりしていて。

近藤:え、本当?

ハセベ:「真面目に環境に取り組んでる者としては、ふざけてる」とか書かれたりして…。

近藤:そういう結構、ハードコアな環境団体とかから…。

ハセベ:「いや、俺はあなたのこと敵だと思ってないから」って思うんだけど、でもやっぱ鼻につくんだろうなとは感じますね。

近藤:ちょっと楽しく派手にやってる感じが鼻につくと…。

米田:何やってもそれはありますよね。僕ね、学生の時は「薬害エイズ訴訟を支える会」ってのをやってて、小林よしのりに散々叩かれたんだけど、学生でワイワイ好きなことやってたんですよ。で、やっぱ、その、昔ながらの真面目な人にも散々叩かれたんですよね。でも、世論を盛り上げればいいやって僕らは割り切ってたから、世論を味方にして、最後は裁判も勝ったし、当時の厚生大臣の菅直人も謝罪したんだけど、まあ、いつの時代もそれはありますよ。

ハセベ:特に政治の世界は。区議になったらすごくわかったというか。僕の人気がでたりしたら自分の票が減るとか…。ちょっと調子に乗りすぎって思われるかもしれないけど、こんなに嫉妬が渦巻いてる世界なんだっていう。

近藤:元々あるパイを食い合ってるからね。

ハセベ:僕なんか、無いパイを取りに行ってるんだから許してよ、とか思うんですけどね。僕、そういうのに意外に打たれ弱いんで、そういうことやられると一応凹むんですよ(笑)。たぶん書いた人の予想以上に凹むと思うんです。効き目があるみたいな。

近藤:それにしても本の中に登場する公園のシリーズ、すごいね!。なんか手塚治虫の未来の画みたいで、夢があるし。細かく描いてるよねえ。

ハセベ:文平(寄藤文平/イラストレーター)は、ほぼ原寸で描くからスゴイ。

近藤:原寸なんだ!?これ。

米田:縮小にしか見えない(笑)。

ハセベ:表紙の絵は原寸ですよ、間違いなく。米粒に絵をかけるっていてったからね。まあ、いろんな種類の公園があってもいいんじゃないかって。それも一個、「冒険遊び場」っての作ったし。「何してもいい公園」っていうのを渋谷で。馬鹿げたビジョン掲げるってなんか面白いから、そっから逆算すると何かできたりするんですよね。あと、こうやって情報を発信したりするとノってくる人がいて。不思議なことに。

近藤:情報発信してるのはデカいよね。自著や、ソトコトのような雑誌で対談してるとか。とりあえず話をしてると、それに反応する層って出てくるもんね。俺らも反応したわけだし(笑)。

ハセベ:もう明らかに代理店の手口です。今思うと意識してやった部分と、自然になった部分がやっぱりあって、そういう仕事の仕方しか知らないんだなって。

近藤:たぶんね、ハセベみたいなことを考えてる人はいっぱいいるんだろうけど、見せ方とアピールの仕方が、その差を作ってるんだという気がする。

ハセベ:やっぱ営業のプロデュースをやってたのが財産になってる。

米田:その道のプロだったんだからね。

ハセベ:こういうことをやってかないとだめだって思いますね。

近藤:そういう風に商品だけじゃなくて、企業が何をやっているか…、企業がゴミ捨てに協賛してるとか、そういう基準で選ばれるようになればいいよね。商品に差はほとんどないんだから。そのうち、どの企業も同じような社会貢献しちゃってるってなったら選びにくくなるけど。それはそれでいいし。

5

ハセベケンのこれから


近藤:改めて、今後の構想みたいなものがあれば。

ハセベ:30代は頭も働くし、体力もなんか一番動けるんじゃないかなって、気がしてんですよ。脂が乗り出してる頃で

近藤:40でもいけそうだけどね

ハセベ:と、思うんですよ。僕、一番大切だと思うのは経験だと思うんですよ。若さはそんな武器にならないっていうか、経験を補ってくもの、経験に勝るものはないと思うんで、で、経験をしてけば違うステージがあるっていうか。で、すごく思ってるのが、このグリーンバードでちゃんと給料取って食えるやつっていうのをちゃんと作って。で、僕は今、一銭も取ってないんですよ、むしろ貸してるぐらいで。でもこれを代表やるやつが年収1千万くらいのやつにやってほしい

近藤:え!?グリ"ンバードの代表が年収1千万になるっていう?

ハセベ:そうそう。それでその場所だけ残してやめたいっていうか、隠居する。で、そしたら、福岡に住むってのもあるんです。その頃には、福岡の街のああいうサイズがちょうどよくなってくるんじゃないかなって。

近藤:街の人も雰囲気もなんか自由なんじゃない?福岡とかって

米田:僕は出身が福岡だから分かるけど、まあ、ウエルカムなところはあるな。

ハセベ:メチャクチャな人とかいますけどね、やっぱり。それサイコーなんですよ、そのぶっ壊れぐあいが。

米田:やくざっぽいっていうか、荒々しいよね(笑)。

ハセベ:なんでそんな死ぬほど酒飲むのとかって(笑)。

米田:あれはね、挑むように、壊れるように飲むんですよね、九州の人間は。

ハセベ:最初死ぬかと思った。

近藤・米田:(笑)

ハセベ:まあ、ほんとに飲まされて、家でいい年してうえーっとかいって吐いてるときに、「絶対この街きつい」とか思ってるんですけどね。

米田:ああ酒の意味でね。他人に対しては、ちょっとうるさいですけどね(笑)

ハセベ:でもすっごく心地よいっていうか。

近藤:改めて、今後の自分の構想みたいなものってある?

ハセベ:今のままをキープしようってことはそんな思ってないんだけど、自分でできる範囲ってやっぱあるから、あんまり手を広げすぎず、あとは走りながら自然に考えていけばいいのかなって。だぶん、続けていると、またいろんな出会いもあるし、そこを大切にしていけばいいのかなっていうぐらいかな。でも『子供育ててみたいし』とか、だんだん内に向いてきてるかもしれないですね。

渋谷区議会議員/NPO法人green bird代表。1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属(統一会派:未来の渋谷をつくる会)。

ハセベケン事務所ホームページ
シブヤミライ手帖

インタビュー:近藤ヒデノリ(TS編集長)、米田知彦(同副編集長)
写真:高田洋三
場所:ハセベケン事務所
日時:15/10/22
協力:真田陽子、松井真美

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